これからの運動に確信持てた。運動の新たな出発点に

これからの運動に確信持てた。運動の新たな出発点に

住民集会40人参加

 11月27日、梅丘まちづくりセンターで、都道52号線の見直しを求める住民集会を開きました。すでに事業認可されている若林、梅ヶ丘、豪徳寺、宮坂の地域と、今後事業化の経堂・船橋の地域など40人が集まりました。会発足以来の最高の集りとなり、今後の新たな運動の出発点となりました。

 集会では道路住民運動全国連絡会幹事の長谷川茂雄さんが講演しました。長谷川さんは、1992年ごろから道路建設問題にかかわり、都内の連絡会の世話人をしておられます。講演では、事業認可とは、それをどう見るか、今の状況の捉え方、道路建設反対運動の今後の進め方、裁判の可能性などについて話されました。

 次に質疑に移り、参加者からは「都のやり方がひどいが」「自分の家が該当しているが、図面はどこで調べられるか」など具体的な質問や意見が次々に出され、どう対応したらよいか講師から「都に行けば、自宅に道路がどうかかっているのか図面を見せてもらえる」など判りやすく丁寧に答えられました。参加者から「確信が持てた」「測量も拒否し住み続ければよいとことがわかった」などの感想が寄せられました。これからの運動に確信と展望が持てる講演でした。

会の幹事会からの運動提起・活発な動議

 集会では幹事会から、これまでの経過と今後の運動について提案しました。
 「52号線の会」は1996年に発足、以来20年間の東京都や都議会の要請行動、「計画白紙撤回・測量お断り」のプレート掲示などの主な取り組みを報告。この道路計画はどのように決まったのか、調査の過程で、都には70年前の都市計画の原図が存在しないこと。決定自体に疑義があると説明。この事業化は500軒をこえる地権者の立ち退きや、数々の寺社の存在とともに築かれた古い街並みが壊される大きな問題。今後さらに各戸に「プレート」の掲示をすすめ、町々で小集会を開いて道路計画の狙いを住民に知らせて都・区政を動かし建設をストップさせ、住みよい町を守ろうと、提案しました。

 これを受けて各町からの発言があり「70年前の道路計画決定に瑕疵があるのではないか?」「閑静な住宅地に道路建設の必要性が本当にあるのか?」など住民の率直な気持ちと計画白紙撤回への熱い思いが語られました。最後に集会決議として、小池都知事に届ける「補助52号線道路建設の中止・白紙撤回を求める要請書」を拍手で確認、参加者は今後の運動に決意を新たにしました。

講演の要旨

諦めることはない。住民の必要かどうかが大切

 52号線が宮坂まで事業認可されたが、認可というのは命令ではなくて、国が作ってもいいですよと答えただけなので、住んでいる住民自身で道路の必要性を考えて決めることが大切で、これからの住民の態度表明が重要になってくる。都は、この間、住宅密集地の28カ所で事業認可を決めたけれど、どこでも反対運動があって、道路建設はすすんでいない。この道路計画は終戦直後に決めたものなので、70年以上、本当に必要かどうかなんて検討されてない。住んでいる人を移動させていまの暮らしが壊されてしまうのだから負担が相当大きいから反対運動も起きるし、広がっている。

生活再建できるのか?

 工事が始まるのは買収が9割くらい進んでからになる。売らなければ、工事は始まらない。認可されても、実際道路ができるまでには各地の事例からも何十年と相当時間がかかるものだ。

 補償の問題で迷っている方がいると思う。認可されると気持ちはあきらめになるが、まず、十分な補償はでないということを地域の皆さんにアナウンスしよう。やむなく移転する場合でも、新しい生活に必要な金額を値引きしないで交渉することが大切。公共事業で建物を補償する場合は、最低でも20%保証することになっている。交渉は一人では応じないことも大切。

 2重ローンは払われない。規定がない。公共事業では残地は買わない。残地補償は期限付きで、上昇した税金分を補償するだけで、期限をすぎれば大幅に税が増えることになる。

強制収用の対象になるのか?

 地方道路建設では、この20年強制収用は行われていない。これをやると、世論を敵に回すのでやりたがらない。2割以上残っていれば、まずない。行政は生活、居住権を守る責任があり、強制的なことをやらせないように都・区政に働きかけよう。

これから都や区にたいして何をするのか

 無断で私有地には入れないので、測量を拒否することが重要。その意思表示(会では小さな看板を用意しています)をしていると、測量を強く求められない。

 会や個人で疑問点を文書にして回答を求める。都は道路建設の目的に交通の円滑化をあげるので、交通量の状況などを答えてもらうことで、次の運動にもつながる。

 70年前の決定が、はたして合法なのか正す必要もある。車の流入などによる環境問題も取り上げることも必要。交渉は記録を取り証拠をのこす必要もある。補償交渉の場合も記録は重要になる。

延焼遮断帯の考え方

 都は道路を延焼遮断帯の形成に必要と言っているが、阪神淡路大震災では8%が火災で、7割以上は圧死で亡くなっている。延焼遮断は本当に役に立つのか?不燃化耐震化の方が重要ではないか。

 国の発表では、乾燥した冬に風があると遮断帯は幅60〜90m必要だと。都は両側の建物が燃えないなら幅26メートル以上でも効果あると発表しているが、木造住宅地では無理なこと。

裁判は運動と車の両輪で

 道路建設を止めるためには裁判だけではダメ。運動と訴訟の両方をすすめないといけない。裁判によって相手に証拠を出させることができ、問題点を掘り出すこともできる。

住民の知恵 できることはなんでもやる

 道路建設反対の運動をすすめるには知恵が必要で、色々な事例を参考にすることも大切。今日を出発点に新たな運動を広げましょう。


住民集会で採択した要請

補助52号線道路建設の中止・白紙撤回を求める要請書

 日頃、都政にご尽力されていることに敬意を表します。
 私たちは、東京都が建設を予定している都市計画道路補助52号線について、沿線地権者・住民として、事業の中止・白紙撤回を求めます。

 70年前に計画された都市計画道路補助52号線の沿線は、いまでは住宅街・商店街が密集した閑静な地域となっています。豪徳寺など古くからの寺社もあって、文化薫る街並みには路面電車の世田谷線が走り、大型車の通行も少ない安全で住みよい町です。そこに70年も前の計画をそのまま強行することは、住み慣れた地域から住民を追い出し、古くからの街並と地域文化をこわすもので、とても認められません。環状7号線や環状8号線などの幹線道路と結ぶ新たな道路は、大量の自動車を呼びこみ、安全な環境を著しく悪化させます。この道路建設は、地域の住環境を一変させる無謀な計画と言うほかありません。

 東京都は、2020年までに若林から宮坂までを完成させ、さらに環八までの事業化を強行しようとしていますが、必要性・緊急性はどこにもありません。都政に求められているのは、築地移転問題など、都民の安全と暮らしを守り、税金の無駄遣いをただすことではないでしょうか。

 この道路計画についても、旧都市計画法第3条に基づいて都市計画決定されたとする「1946年4月25日戦災復興院告示第15号」は、重大な法的瑕疵が指摘され、東京地方裁判所で争われています。私たちは、法的疑義のある計画の強行など許されないことであると考えます。

 東京都は、道路の必要性を、地震発生時の火災の「延焼遮断帯」と説明していますが、これは「初期消火」を行わない想定であり、風向きによっては効果のないものです。いま必要なのは、直下型地震に備えて住宅の耐震化・不燃化などを最優先することではないでしょうか。

 小池都知事は、市民団体のアンケートに「不適切だと判断される路線については、大胆に見直していきたい」と回答されています。また都政運営について、「立ち止まって考えるとき」と、これまでの施策の見直しを表明されました。私たちは、道路問題において、是非その実行を期待するものです。

 私たちは、特定整備路線の建設計画を検証し、事業認可の取り消しと計画を中止されるように強く要請します。

連絡先  都道52号線(環境破壊)に反対する会